平成30年度秋の特別行事

10月10日(水)徳川美術館にて秋の特別行事を開催しました。

午前は34名の参加者が2班にわかれ、聞香体験と美術館見学をしました。

聞香(もんこう)ではボランティアの方の説明の後、「替花月香(かわりかげつこう)」という簡単なゲームを楽しみました。

まず、「花」と「月」を1包ずつ試しに聞き、それぞれの香りを記憶します。次に『出香(しゅっこう)』として「花」または「月」の2包の香りを順に聞き、答えます。
「花・花」「花・月」「月・花」「月・月」の4通りのいずれかが答なのですが、意外と難しくて正解者は半数以下でした。殆どの方が初めての体験で、香道の作法にも戸惑いながらも楽しむことができました。

我が国に最初に香木が伝わったのは推古天皇の時代で、その後は平安貴族や戦国武将などにも嗜まれました。香木の中でも特に有名なのは「伽羅」で、その価値は金に等しいとされてきました。「蘭奢待」という最高級の伽羅の香木は正倉院に納められ、これまでに削った人物は足利義政、織田信長、明治天皇等という記録が残っています。しかし、徳川美術館にも同じものがあり、なぜ有るのか分からないそうです。

美術館では尾張徳川家ゆかりの品々を見学しました。丁度、修学旅行生と鉢合わせしましたが、刀剣や茶の湯のお道具などを一生懸命メモしているのはとても微笑ましい光景でした。
特別展は「もじえもじ」(10月28日まで)で江戸時代の判じ絵などが展示されていました。平仮名や漢字が馬の鞍や文箱のデザインの一部として取り入れられているのは興味深いものでした。
国宝「源氏物語絵巻」の特別公開が11月3日から始まりますので、興味のある方はご覧ください。

午後は徳川園内の日本料理「宝善亭」にて昼食を頂いたのち、ながれ解散となりました。館内の喫茶店にて久しぶりの再会を懐かしんだり、もう一度ゆっくりと美術館を見学するなど、自由な時間を過ごしました。
10月10日は晴れの特異日にもかかわらず午後からは生憎の雨となりましたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。