平成29年度秋の特別行事

「旧東海道の町並みが残る有松散策と絞り体験」

10月15日(日)秋雨の中、参加者34名が集い秋の特別行事を行いました。

今年は昨年7月、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された有松を訪ねました。有松の町並みの歴史は江戸時代(1608年)より400年以上ですが、有松・鳴海絞りも町並とともに歴史を誇り名古屋の伝統的工芸品として有名です。

午前中、有松・鳴海絞会館2階で絞り体験をしました。ビデオ上映後、伝統工芸士の方より丁寧に教えていただきながらハンカチに花の柄の括りをしました。ハンカチは各個人が選んだ色に染められて、後日自宅に郵送されてきます。糸を解きオリジナルの作品を手にする楽しみもできました。

お昼は、築90年になる伝統的家屋のお店「やまと」で美味しい日本料理をいただきました。各テーブルでは初対面ながらお互いの学生時代のお話とか近況報告をして、和気あいあいと佐保会員同士の親睦を深めることができました。

午後からは「有松あないびとの会」のボランティアガイドをお願いして、4班に分かれ有松の町並み散策をしました。

ゆるやかに曲がった東西800メートルの旧東海道沿いには、白壁の土蔵や美しい格子の建物が建ち並び、歌川広重が描いた東海道五十三次「鳴海宿」の場所と思われる間口の広い商家も現存し、絞り染め「有松絞」によって繁栄していた当時の様子が思い浮かびました。

「井桁屋」の屋号をもつ服部家住宅は、有松を代表する建物です。総瓦葺2階には塗籠の格子窓がつき卯建があげられ、土蔵造の蔵の腰は海鼠壁を用いています。これも江戸時代の大火の経験から防火に配慮した町並みとなったそうです。

町並み散策の最後に山車会館を見学しました。有松には3輌の山車があり会館には唐子車の展示がされていました。詳しく案内していただいたあないびとの方に感謝しつつ各班ごとに自由解散となりました。

伝統的家屋保存の為に改装して飲食店・カフェ・雑貨店としてオープンしたり、無電柱化など現代生活に融和させながら町並み保存と新しい文化の創造に努めている町、有松。小雨の降る一日でしたが、参加者の皆様には秋の有松を楽しんでいただけたことと思います。